ネットを騒がす「例のプール」の正体とは?新宿の所在地と撮影の裏側
ネットユーザーなら誰もが一度は目にしたことがある、ガラス張りの天窓から自然光が降り注ぐ屋内プール。特定のジャンルを想起させる独特の構図から、SNS上では「あのプール」「例のプール」という符丁だけで瞬時に意思疎通が図られるほどの知名度を誇ります。
ネットカルチャーの象徴として語り継がれるこの空間ですが、単なるネットミームにとどまらず、プロの映像制作現場で長年重宝されてきた実在のハウススタジオです。この記事では、現場の徹底リサーチをもとに、建物の正式名称や新宿に位置する立地の秘密、特撮作品との意外な接点から現在のレンタル事情まで、知られざる舞台裏を明らかにします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:正式名称は撮影スタジオ大手ピアグループが運営する「No.136」で、新宿区のマンション最上階に実在する。
- 要点2:成人向け作品だけでなく『仮面ライダー』など特撮・一般ドラマでも多用された機能美が、ネットミーム化の引き金となった。
- 要点3:一般人でも撮影やイベント目的でレンタル可能だが宿泊は不可であり、現在も予約が絶えない人気スタジオとして稼働している。
【正体解明】「例のプール」の正式名称と所在地|新宿のビル最上階にある理由
ネット上で長年親しまれている例のプールの正式名称は、株式会社スタジオピア(現ピースタジオ系列)が管理・運営する撮影用ハウススタジオ「No.136」です。映像業界のロケハン資料などでは単に「スタジオピア No.136」あるいは「ピースタジオ No.136」と記載されています。
気になる例のプールがある場所は新宿の閑静なエリアです。住所は東京都新宿区新宿1丁目、東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑前駅から徒歩数分という好立地に立つヴィンテージマンション「サンハイツ新宿」の最上階(9階・10階部分)に位置しています。
一般的なマンションのワンフロアではなく、最上階のペントハウスとして設計されたメゾネット構造が特徴です。室内には長さ約5メートル、深さ約1.2メートルの本格的な温水プールが設置されており、上部には開閉可能な大型のガラス天窓が広がります。都心のど真ん中にありながら、周囲の視線を完全に遮断しつつ自然光を取り込めるラグジュアリーな空間設計が、撮影スタジオとして唯一無二の価値を生み出しました。
なぜこれほど有名になったのか?元ネタの真相とネットミーム化の軌跡
例のプールはなぜ有名になったのか、その発端を探ると、日本のインターネット文化と成人向け映像産業の急速な発展が交差した2000年代中盤に突き当たります。
例のプールの元ネタの真相は、成人向けビデオ(AV)のロケ地として極めて高い頻度で採用された点にあります。当時、低予算かつ短時間で高級感のあるシチュエーションを撮影したい制作会社にとって、都心に位置し、天候に左右されず、水着シーンと室内シーンをワンストップで完結できる「No.136」はまさに理想的なスタジオでした。その結果、メーカーやレーベルを問わず無数の作品で同じプールサイドとバーカウンターが画面に映し出される事態が発生します。
これにいち早く気付いたのが、匿名掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」や動画共有サイトのユーザーたちでした。水色のタイルと白いサッシ、奥に見えるカウンターの配置を見ただけで「またあの場所か」と特定できるようになり、誰からともなく「例のプール」と呼ばれるようになります。
以降、例のプールに対するネットの反応は単なる内輪ネタを超えて爆発的に拡散しました。「実家のような安心感」「画像だけでどの部屋かわかる」といったジョークが定着し、アニメのパロディ描写やバーチャル背景、果てはカプセルトイのアクリルスタンドやミニチュアジオラマとして商品化されるなど、日本独自のネットミームとして不動の地位を築き上げました。
実は『仮面ライダー』にも登場?特撮や一般ドラマで重宝される撮影スタジオの機能性
ネット上では特定ジャンルの代名詞のように語られますが、実際にはメジャーなテレビドラマや映画、音楽PVのロケ地としても長年の実績を持っています。
特撮ファンの間で語り草となっているのが、例のプールの仮面ライダー登場作品です。代表的な例として挙げられるのが、2009年から2010年にかけて放送された『仮面ライダーW(ダブル)』第48話です。劇中で敵組織の黒幕である加頭順(ユートピア・ドーパント)が構える豪奢なオフィス兼アジトとして、このプールサイドが堂々と使用されました。さらに、2011年の『仮面ライダーフォーゼ』第20話でも、セレブな生徒たちが集う高級パーティー会場のロケ地として登場しています。
ほかにもフジテレビ系列のオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』や、有名アーティストのミュージックビデオ、大手企業のWebCMなど、採用実績は枚挙にいとまがありません。制作関係者が口を揃えるのは、その圧倒的なコストパフォーマンスと使い勝手の良さです。
都心の高級ホテルや本物の別荘を借りて大掛かりな撮影を行う場合、莫大な使用料と厳しい利用制限が課されます。一方、ハウススタジオとして設計されたこの場所であれば、照明機材の搬入がスムーズで、水を使った特殊な演出も気兼ねなく敢行できます。一流のプロたちが実用性を突き詰めて選んだ結果が、期せずして画面の露出頻度を高める要因となりました。
一般人でもレンタル可能?利用料金システムと予約のハードル
「プロの撮影クルーしか入れない聖域」と思われがちですが、スタジオの利用規約さえ遵守すれば、個人や一般グループでも利用申請を行えます。
例のプールの一般人レンタル料金は、利用する目的(スチール撮影かムービー撮影か)や曜日、時間帯によって細かく設定されています。目安となる料金相場は以下の通りです。
【スタジオ利用料金の目安】
・スチール撮影(写真):1時間あたり 約16,500円〜22,000円(税込)
・ムービー撮影(動画):1時間あたり 約22,000円〜27,500円(税込)
※最低利用時間(原則3時間〜5時間以上)の規定が設けられているため、1回あたりの利用総額は最低でも6万円〜10万円前後が相場となります。
高額に思える金額設定ですが、近年ではコスプレ愛好家が8〜10人程度のグループを結成してシェア利用するケースが定番化しています。1人あたり1万円前後の頭割りで伝説のロケーションを貸し切れる計算になるため、週末を中心に個人の予約枠も活発に動いています。
ただし、利用にあたっては「住宅街に位置するマンションの最上階である」という前提を忘れてはなりません。大音量で騒ぐ行為や共用スペースでの立ち止まりは厳禁であり、プールの水を抜いての撮影や特殊な薬品の使用などには事前の厳格な審査が必要です。
「泊まることはできる?」宿泊の可否と2026年現在の利用状況
プール付きのペントハウスという贅沢な間取りから、「パーティーのついでにそのまま宿泊できないか」という疑問を抱く方も少なくありません。
結論から述べると、例のプールに宿泊できるかという問いの答えは「不可(宿泊利用は禁止)」です。同施設は旅館業法に基づく簡易宿所やホテルの営業許可を取得した施設ではなく、あくまで撮影専用のレンタルスペースとして営業しています。スタジオの深夜パック等を利用して夜通し撮影を行うことは規約上可能ですが、寝具を持ち込んでの宿泊や民泊のような滞在行為は固く禁じられています。
そして気になる例のプールの現在の稼働状況ですが、スタジオの管理体制や名称の微細なリニューアルを経ながらも、現役の撮影スタジオとして稼働を続けています。
ネットの流行り廃りが激しい時代にあっても、この場所のブランド価値は衰えるどころか、一種の文化遺産のような風格すら漂わせています。YouTubeやTikTokといった動画クリエイターが「聖地巡礼」としてオフィシャルに企画を持ち込む例も後を絶たず、都心における唯一無二のロケーションスペースとして確固たるポジションを維持しています。
【例のプールとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:撮影機材を持たない一般人が、見学や観光目的だけで中に入ることはできますか?
A1:完全予約制の貸切スタジオのため、見学のみを目的とした入場や観光ツアーのような一般公開は行われていません。中に入るためには、撮影やイベント利用の名目で規定の最低利用時間分の料金を支払い、正式にスタジオを予約する必要があります。また、マンションのエントランスや外観を無断で撮影する行為は住民への迷惑となるため厳禁です。
Q2:なぜ他のプール付きスタジオではなく、この場所ばかりが使われるのですか?
A2:都内で「室内温水プール」「開閉式天窓による自然光」「ラグジュアリーな室内内装」の3拍子が揃い、かつ新宿駅から至近距離にある撮影スタジオが極めて希少だからです。都心近郊のリゾートホテルでは撮影許可が下りにくく費用も跳ね上がるため、利便性とコストのバランスにおいて圧倒的な優位性を持っています。
Q3:個人のオフ会やYouTubeのトーク動画撮影でも借りられますか?
A3:スタジオ側の利用規約に合致し、公序良俗に反しない内容であれば個人利用でも貸し出しを受け付けています。実際に動画クリエイターの対談企画や、同人誌・ポートレートの撮影会などで広く利用されています。予約時は公式窓口へ利用目的を正確に申請することが必須です。
まとめ:ネット文化が生んだ伝説のロケ地が語り継がれる背景
かつては知る人ぞ知る撮影スタジオに過ぎなかった新宿のペントハウスは、映像制作陣の実利的な選択と、ネットユーザーたちの鋭い観察眼が結びついたことで、稀代のポップアイコンへと変貌を遂げました。
「例のプール」という言葉が持つ独特のニュアンスは、作り手と受け手が無言のうちに文脈を共有する、現代のデジタルコミュニケーションの面白さを象徴しています。映像技術や配信プラットフォームがどれほど進化しようとも、この水色のタイルと天窓が放つ独特の存在感は、これからもクリエイターとネット民の心を惹きつけ続けるはずです。 (出典: 例のプールとは(Yahoo!ニュース))